
西表島西部に位置する祖納(そない)集落で、穀物の収穫が終わった旧暦6月に行われる祭り。
「クムリ」と呼ばれる神行事で始まり、ツカサと呼ばれる神女が各御嶽に泊まり込み夜通し神に祈りをささげ、クムリが明けると、「プリヨイ(豊年祝い)」と呼ばれる神に今年の収穫を感謝するお祝いが行われます。氏子たちは「仲良田節(なからだぶし)」を歌い、神に感謝を伝えます。この「仲良田節」はこの地域で生まれた歌で、1年のうちシコマ(初穂刈り)の日から豊年祭までの間しか唄うことが許されていません。
次の日は「アサヨイ」と呼ばれ、来夏世(クナツユー=翌年の夏)の豊作と村の安全を祈願し、各御嶽のチジミ(ツカサの親族)の家で収穫したばかりの新米を氏子1人につき1合を納め、プリヨイの無事終了を報告します。その後ワラサー(ワラの鉢巻き)、ワラシクビ(ワラの腰巻き)を巻いて、翌年の実りを祈願する歌や踊りを奉納。そして夜になると、各チジミの家から人々が集落のミナタ(中央)にある十字路に集まり、ツナヌミンと呼ばれる演舞、ガーリー(踊り)、子どもみこしなどの儀式を行ないます。
最後には、その年に刈り取った稲わらで編みあげた綱で、大綱引きが行われ、観光客も参加可能で、豊作と健康、安産を祈願して行われます。やがて勝敗が決まると、その年最後となる「仲良田節」が唄い納められます。